万物のいのちが躍動する春のお彼岸がきました。
中日のこの日は,昨日までの暖かさから一転して花冷えの1日となりました。境内の梅の蕾がふくらんできました。
春を告げるさわやかな苦味が,こたえられないフキノトウ。お墓参りの帰りに摘むのが毎年の楽しみという方々もおられます。
つぼみがまだ硬く,閉じていて周りの葉で花芽が見え始めるくらいまでのものが美味しいのだそうです。
中日には,全てのお位牌の前に「おはぎ」がお供えされました。お墓参りの帰りには是非お立ち寄りください!
久しぶりの再会の方々も,熱いお茶とともに楽しい語らいのひと時となります。
今年も多くの花が手向けられました。
弘法大師空海
”身は花とともに落つれども,心は香とともに飛ぶ” (遍照発揮性霊集)
人の身体はいずれは花が散るように朽ち果てますが,心は天に登っていき,香りとなって永遠に私たちの心の中に生き続けることです。
諸行無常といいますが,魂(心)は私たちの心の中に残っています。
” 年々歳々花あひ似たり
歳々年々人同じからず ”
劉 廷芝
来る年も来る年も,花は変わらぬ姿で咲くが,年ごとにそれを見ている人間は移り変わるということです。
世の無常をうたった詩ですね。
今日という日は心静かに,大切な人を思い,自らを見つめ,思いめぐらせる時となりますように。
いつでもどこでも,南無大師遍照金剛